宗像神社(むなかたじんじゃ)

 京都御苑の中にあって、いつも静かな神社です。散歩の途中にちょっと立ち寄ってみてはいかがですか。特に春の花の頃がお勧めです。

 宗像神社の境内で美しい花を咲かせる桜の中には御所紫宸殿南庭の左近の桜を移植したものもあります。

 正面から入った右側の花山稲荷社のそばの楠の大木は樹齢六百年でアオバズクの巣が見られます。

 自然豊かな境内では春の椿の花もうつくしく、京都観光神社は参道の左側にあります。京都観光神社は昭和44年(1969年)に京都の観光に携わる業者達が集まって、道案内の神様、猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)をお迎えして建立いたしました。観光に京都を訪れるお客さまの無事息災と、京都の観光業界のより発展をお祈りするのが目的だそうです。

宗像神社の御祭神(宗像三女神)
 多紀理比売命(たぎりひめのみこと)
 多岐津理比売命(たぎつひめのみこと)
 市岐嶋比売命(いちきしまひめのみこと)
宗像神社の境内社
 花山稲荷社、京都観光神社、少将井社、繁栄稲荷社、金刀比羅社
宗像神社への公共交通機関
 地下鉄烏丸線「丸太町」駅下車徒歩約5分(京都御苑内)
 丸太町通又は烏丸通を走る市バス「烏丸丸太町」下車徒歩約5分

京都御苑内の宗像神社の由緒

▼下の文章は宗像神社に掲示されている京都市の駒札(下の写真)を再録しています。

宗像(むなかた)神社

 本社は宗像三女神(むなかたさんじょしん)、すなわち多紀理姫命(たきりひめのみこと)、市岐嶋姫命(いちきしまひめのみこと)多岐津姫命(たきつひめのみこと)を主祭神として祀る。宗像三女神は別名「道主貴(みちぬしのむち)」いい、これは全ての道を司る神の尊称である。道の神(交通・運送の神)、また海の神(出産、生産、産業、文化の神)として信仰されている。
 この地はもと小一条殿(こいちじょうでん)(文徳天皇皇后明子(あきらけいこ)の里、藤原忠平の邸宅)といい、平安の御代、清和天皇ご誕生の地である。
 社伝によれば、平安京遷都の翌年、延暦十四年(七九五)、桓武天皇の命により、藤原冬嗣が筑紫(現在の福岡県)より勧請(神様をお招きすること)し、創建されたと伝えられる。その後、歴代皇室の御尊信篤く、応仁の乱の兵火で社殿ことごとく焼失した後、再建された。現在の社殿は江戸期安政年間に再建されたものである。
 明治維新までは花山院家(かざんいんけ)の邸地となり、本社もその邸内にあったが、邸宅が廃せられて後は社殿のみ残った。境内には樹齢六百年といわれる京都御苑内最長老の楠の巨木があり、桜の老木は御所の紫宸殿(ししんでん)の左近の桜を拝領したものである。また「葉書」の語源となったとも言われる「多羅葉(たらよう)」の樹が社殿正面にある。境内社として花山稲荷社、京都観光神社、少将井社、繁栄稲荷社、金刀比羅(こむひら)宮がある。
          京 都 市
上の文は京都御苑内の宗像神社に掲げてある京都市の駒札由緒書(下の写真)を再録しています。

 宗像神社は京都御苑(京都御所)内の南西にあり、烏丸丸太町の交差点から徒歩5分くらいの距離にあります。
 京都御苑(京都御所)内に建つ宗像神社の鳥居から参道をまっすぐ北へ歩くと本殿にお詣りできます。
 八坂神社の美御前社にも宗像三女神がお祀りされています。