京都島原の名妓、吉野大夫が寄進したと云われる朱塗りの山門は「吉野門」と呼ばれ、単層、本瓦葺き、切妻造、幅2.8メートル、高さ4.8メートルの柱や腰板が朱に塗られた質素で清楚な雰囲気の造りで、春は短い参道の両側に植えられた吉野桜と名付けられたソメイヨシノ、秋は紅葉に彩られます。二代目吉野太夫は灰屋紹益(はいやしょうえき)の妻で寛永三名妓天下随一の太夫だそうです。吉野太夫の美貌は海を渡って唐の国まで伝わっていたといわれています。鷹峯三山の麓に建つ常照寺は、本阿弥光悦の子光瑳が光悦から寄進を受けた土地に、寛永4年(1627)に日蓮宗総本山身延山久遠寺第二一世寂照院日乾上人(じゃくしょういんにちけんしょうにん)を招いて開創した「鷹峰壇林(たかがみねだんりん)」の旧跡で、多くの学僧が輩出されています。本堂、開山堂、鬼子母尊神堂などいくつもの堂宇が建ち並びます。境内には吉野太夫の墓があり、春四月の第三日曜日には吉野太夫を忍ぶための「吉野太夫花供養」が行われ、太夫道中を見ることができます。この日は全国から多くの参詣者が訪れ、供茶(くちゃ)法要、茶会などが催されます。山門を入った右手に全国でここだけにある帯塚(おびづか)があります。
鷹峯の常照寺の近くには、丸い窓の悟りの窓と四角の窓の迷いの窓、伏見城から移した血天井で知られる源光庵があります。
宗派 日蓮宗 所在地 京都市北区鷹峯北鷹峯町1
拝観 300円 拝観時間 朝9時より夕5時まで
常照寺への公共交通機関
地下鉄北大路駅より市バス「北1」系統にて「鷹峯源光庵前」下車、すぐ
JR嵯峨野線「二条」駅前より市バス6系統にて「鷹峯源光庵前」下車、すぐ
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