楊貴妃観音でよく知られた泉涌寺は、歴代の天皇とのつながりが深く「御寺(みてら)」と呼ばれ、広い境内全体が気品を感じる雰囲気に満ちています。御座所から眺める庭園は白砂と白壁と植え込みの緑にカエデの赤と黄色が上品に配置されて、目にやさしい洗練された美しさです。東福寺の迫力ある紅葉を見た後にこちらに立ち寄ると心が安らぐ思いです。
泉涌寺は真言宗泉涌寺派の総本山で、平安時代に空海が草庵を結び法輪寺と名付けたのが始まりとされています。後の建保(けんぼう)6年(1218)に月輪大師(がちりんだいし)が譲り受け伽藍を整えて大寺院としました。この時に境内に泉が湧いたことが泉涌寺の名前の由来です。歴代の天皇の菩提が弔われ、寺域には多くの御霊が営まれています。
楊貴妃観音堂には聖観音像(楊貴妃観音)が安置されており、伏し目のやさしいお顔を拝することができます。ひときわ目を引く大きな建物の仏殿(重要文化財)には運慶が作った釈迦仏、阿弥陀仏、弥勒物の三世仏が安置されています。
宗派 真言宗泉涌寺派本山 所在地 京都市東山区泉涌寺山内町27
拝観時間 午前9時より午後4時半まで、冬月〜2月は午後4時まで
拝観料 500円 御座所・庭園拝観は別途 300円
泉涌寺への公共交通機関
JR奈良線、京阪電車「東福寺」下車、徒歩約15分
市バス「泉涌寺道」下車、東へ約10分(京都駅より市バス208系統乗車)
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