説 明
琵琶湖の水を京都に取り入れる疏水事業は、京都府知事の発意で田辺朔郎工学博士の工事担当で、明治18年の起工から6年後の明治23年に竣工し、わが国初の事業用水力発電等、京都の街の近代化に貢献しました。この当時としては西欧の技術に頼らずに日本人だけの技術と手で工事を成し遂げた画期的な偉業です。発電や水道事業の他に琵琶湖と京都を結ぶ水運事業にも貢献しました。疏水の水が流れる運河の堤防にはソメイヨシノやヤマザクラが植えられ京都市民の散策路となっています。上の写真は琵琶湖の取水口から流れ込んだ水が大津市の長等山のトンネルに入る所で、桜満開の時期には夜のライトアップが行われます。トンネルを抜けた水は山科盆地の北の山沿いを桜に囲まれてゆったり流れます。山科から再びトンネルを抜けて京都盆地に入った所にあるインクラインは、高低差のある蹴上(けあげ)の舟だまりと南禅寺の舟だまりを結ぶ傾斜地に上下2本のレールを敷き舟を艇架台に載せて運ぶ施設で、当時の艇架台はレールの上に置かれていて今も見ることができます。蹴上には疏水の水による水力発電所や琵琶湖疏水記念館があります。
右の写真4地点への公共交通機関
琵琶湖疏水長等山トンネル
京阪電車石坂線「三井寺」下車、徒歩数分
山科疏水
JR琵琶湖線「山科」、徒歩約10分
地下鉄東西線「山科」下車、徒歩約10分
京阪電車「京阪山科」下車、徒歩約10分
インクライン
地下鉄東西線「蹴上(けあげ)」下車、徒歩すぐ
岡崎公園
市バス「京都会館美術館前」下車すぐ
(京都駅前より5系統、100系統)